ルクセンブルクってどんなとこ?旅行前に調べてみた

旅行前にその土地のことを調べてみたシリーズ、ルクセンブルク編です!ルクセンブルクに行く前に見ておくと楽しめる書籍の紹介も。
ルクセンブルクってどんなとこ?
場所
西ヨーロッパに位置する、ルクセンブルク大公国の首都・ルクセンブルク市になります。ルクセンブルクはベルギー、フランス、ドイツの三国に囲まれた内陸国で、欧州連合(EU)関連機関も多く立地する国際色豊かな小国です。首都ルクセンブルク市は渓谷と丘陵地にまたがり、中世からの要塞都市としての歴史を残すとともに、近代的な金融都市としても知られています。
天気
温帯海洋性気候に属し、四季を通じて比較的穏やかな気候が特徴です。夏は涼しく、日中の気温は20〜25℃前後で過ごしやすく、湿度はやや高めです。冬は寒冷で、最低気温が0℃前後になることが多く、雪が降ることもありますが、積雪は長くは続きません。年間を通じて曇天や小雨が多く、特に秋から冬にかけては天候が不安定になります。服装は重ね着できるものが便利です。
歴史的に覚えておきたいキーワード
要塞都市としての起源
ルクセンブルクは10世紀に築かれた小さな城塞(ルシリンブルク)から始まりました。自然の渓谷を利用した戦略的な立地は“北のジブラルタル”と称され、長きにわたりヨーロッパ列強による軍事的要衝として争奪の対象となりました。
ハプスブルク家とスペイン・オーストリア支配
16世紀以降、ルクセンブルクはスペイン・オーストリア・フランスなど大国の支配を受けました。特にハプスブルク家の影響下でカトリック文化が根付き、城塞都市としての防御機能が強化されたのもこの時代です。
ナポレオンと近代の幕開け
18世紀末からフランス革命戦争・ナポレオン戦争を経て、ルクセンブルクはフランスの支配下に入り、その後ウィーン会議(1815年)で独立大公国としての地位を確立しました。同時にドイツ連邦に加盟し、プロイセンの要塞として軍事的な役割も担います。
独立と中立、欧州統合の先駆け
1839年のロンドン条約により領土の一部をベルギーに割譲しながらも独立を維持。その後、1867年には要塞が解体され「永世中立国」となります。第二次世界大戦後は中立政策を放棄し、EUやNATOの創設メンバーとして統合ヨーロッパの中核を担うことになります。
金融立国と多国籍都市
20世紀後半以降、金融・投資分野での優遇税制を背景に世界有数の金融センターへと発展。多国籍企業やEU機関が集まる中、首都ルクセンブルク市は文化遺産と現代都市機能が融合する国際都市へと変貌しました。
ルクセンブルクの有名観光地
Casemates du Bock(ボックの砲台)
地下に広がる要塞跡で、世界遺産にも登録されています。迷路のようなトンネル群から、ルクセンブルクの軍事的な歴史を体感できます。

Cathédrale Notre-Dame(ノートルダム大聖堂)
ゴシック様式とルネサンス様式が融合した美しい大聖堂です。静謐な空間と精緻な装飾が、多くの訪問者を魅了しています。

Palais Grand-Ducal(ルクセンブルク大公宮)
現君主が実際に執務を行っている宮殿です。夏季限定で内部見学ツアーが開催されており、ルクセンブルク大公家の文化に触れることができます。

Lëtzebuerg City Museum(ルクセンブルク市立歴史博物館)
ルクセンブルク市の歴史と文化を多角的にご紹介している博物館です。中世から現代に至る街の変遷を体感できるほか、建物自体にも歴史的価値があります。

Nationalmusée(国立歴史美術博物館)
ルクセンブルクの歴史・考古学・美術を網羅する国立の総合博物館です。先史時代から近代までの貴重な遺物や絵画が展示されており、文化遺産の宝庫として親しまれています。

Mudam(ミュダム)
ルクセンブルクの現代美術館「ミュダム」は、国際的な現代アートを展示する文化の中心地です。建築は、ルーヴル美術館新館の設計で知られるイオ・ミン・ペイ氏によるものです。

ルクセンブルク近郊の観光地
Château de Vianden(ヴィアンデン城)
ルクセンブルク市から、鉄道とバスで約1時間30分〜2時間程度で訪れることができる本格的な中世城郭。内装も復元されており、オーディオガイドで歴史も学べる。ビクトル・ユゴーが愛した場所としても有名です。

Château de Esch-sur-Sûre(エッシュ・シュル・シュール城跡)
ルクセンブルク西部の小さな村エッシュ=シュル=シュールの丘の上に位置する中世の城跡で、その起源は927年にまでさかのぼります。これはルクセンブルク国内でも最古級の城のひとつです。市内から電車とバスで約2時間前後で到着します。

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ルクセンブルク旅行前に読みたい本
ルクセンブルクを知るための50章 – 田原 憲和
フランスとドイツに挟まれた小国でありながら、独自の豊かな文化を生み出し、特に欧州統合の進展では大きな存在感を示してきたルクセンブルク。歴史の波に翻弄されながらも多言語社会を築き、新しい欧州を希求するこの国のあふれる魅力を紹介する。

多くのルクセンブルク人は4か国語を話すことが一般的。教育制度と多文化環境によって、自然と話せることができるようになるそうです。