バンクーバーってどんなとこ?旅行前に調べてみた

旅行前にその土地のことを調べてみたシリーズ、 バンクーバー編です!バンクーバーに行く前に見ておくと楽しめる映画、読んでおくと良い書籍の紹介も。
バンクーバーってどんなとこ?
場所
北アメリカの西海岸に位置する、カナダのバンクーバーはブリティッシュコロンビア州にあります。西には太平洋、東にはカスケード山脈が広がっており、美しい自然環境に恵まれています。バンクーバーは、自然と都市が調和する街で、温暖な気候の中で四季折々の風景が楽しめます。また、バンクーバーはアメリカのシアトルから北へ約230キロメートルの距離にあります。
天気
気候は西岸海洋性気候に分類され、年間を通じて比較的穏やかです。夏は日中20〜25度程度で過ごしやすく、晴天が多く湿度も比較的低めです。一方、冬は気温が0度を下回ることは稀で雪も少ないですが、雨が多く湿度が高く感じられる日が多くなります。特に秋から春にかけては降雨量が多くなります。
歴史的に覚えておきたいキーワード
先住民とその文化
バンクーバー地域には、数千年にわたり先住民が住んでいました。特に、スカマシュ族、マスキアム族、ツレイル・ワウトゥース族などが、地域の自然環境と深く関わった文化を築いてきました。現在でも、先住民の文化は地域社会に影響を与えており、その文化や歴史は観光や地域活動において重要な要素となっています。
ヨーロッパの探検と開拓
1792年に、イギリスのキャプテン・ジョージ・バンクーバーがこの地域の海岸線を探検・測量しました。その後、19世紀初頭にヨーロッパからの開拓者が入植を始め、バンクーバー周辺の土地が商業的に発展しました。これがバンクーバーの都市化の始まりです。
ゴールドラッシュと経済発展
1858年のフレーザー・ゴールドラッシュにより、ブリティッシュコロンビア本土への入植が急増し、港湾都市としてのバンクーバーの重要性が高まりました。このゴールドラッシュは、道路や町の建設を促進し、植民地政府の樹立や先住民との土地をめぐる緊張の高まりなど、地域の社会構造に大きな影響を与えました。経済的にも物資供給の拠点として機能し、都市形成のきっかけの一つとなりました。
カナダ太平洋鉄道(CPR)と発展
1886年、カナダ太平洋鉄道(CPR)の完成により、バンクーバーはカナダ国内の主要な貿易の拠点として発展しました。この鉄道の開通は、バンクーバーを国内外の重要な貿易港へと変貌させ、経済発展を加速させました。
第二次世界大戦と都市の発展
第二次世界大戦中、バンクーバーは造船業や軍事関連産業の拠点として重要な役割を果たしました。また、日系カナダ人に対する強制収容政策など、移民と戦時体制の問題もこの時期に表面化しました。戦後、バンクーバーは急速に発展し、カナダの西海岸で最も重要な都市の一つとなりました。
移民と多文化社会
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アジア、ヨーロッパ、アメリカからの移民が増加し、バンクーバーは多文化都市としての特徴を強めました。特に中国系や南アジア系移民の存在は、都市の文化や経済に大きな影響を与えています。
バンクーバーの有名観光地
スタンレーパーク(Stanley Park)
バンクーバー中心部にある広大な都市公園。美しい海沿いの散歩道「シーウォール」や歴史的なトーテムポール、バンクーバー水族館などが楽しめます。

グランビルアイランド(Granville Island)
バンクーバー中心からアクセスできる芸術と食のハブ。市場では地元の食材や特産品が楽しめ、ギャラリーやショップも豊富。アートとグルメが融合したエリアで、地元文化に触れることができます。

キャピラノ吊り橋(Capilano Suspension Bridge Park)
高さ70m、長さ137mの吊り橋で、壮大な森林の景色を楽しめます。トレイルやクリフウォークもあり、自然の美しさと冒険心を満たせる観光地です。バンクーバーから車で15分の距離です。

バンクーバー美術館(Vancouver Art Gallery)
カナダのアートを代表する作品が展示される美術館。現代アートや先住民アート、インディアンアートが豊富で、建物自体も歴史的な価値があります。文化とアートに触れる貴重な場所です。

バンクーバー近郊の観光地
ウィスラー(Whistler)
バンクーバーから車で約2時間ほどの距離にあるウィスラーは、カナダを代表するスキーリゾート地で、冬はスキーやスノーボード、夏はハイキングやマウンテンバイクが楽しめます。

ザ・バチャート・ガーデンズ(The Butchart Gardens)
バンクーバーからフェリーで約1時間半ほどの距離にあるブッチャート・ガーデンズは、四季折々の美しい花々で知られる庭園です。バラ園や日本庭園、春のチューリップなど、四季の風景が堪能できるため、花好きにはたまらないスポットです。

バンクーバー/カナダ旅行前に見たい映画
バンクーバーの朝日
1900年代初頭、多くの日本人が新天地を夢見て、遥か遠くカナダへと海を渡った。 しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは差別、過酷な肉体労働、貧困といった厳しい現実だった— そんな中、日本人街に一つの野球チームが生まれる。 チームの名は「バンクーバー朝日」。 夢も希望も持てなかった激動の時代。 やがてチームは人々にとって、一条の光となっていく。 彼らは何を信じ、何を求めて走り続けたのか。 歴史の波間に埋もれていた“真実の物語”が今、ここに蘇る—

日本ではあまり知られていない、太平洋戦争時の日系人の扱いなどにも触れられている貴重な映画。メインテーマである野球とは別の部分でも見どころがあります。
バンクーバー/カナダ旅行前に読みたい本
バンクーバー朝日軍~伝説の「サムライ野球チーム」その歴史と栄光~
1900年代前半、異国カナダにおいて武士道と大和魂、フェアプレーとスポーツマンシップで闘い続け、カナダ最強のチームとなったバンクーバー朝日軍。
これは、日系社会は勿論、人種の壁を越え、白人社会からも尊敬された日系人野球チーム、バンクーバー朝日軍の歴史的実話に基づいた物語である。

先ほど紹介した映画の書籍版です。
カナダ 歴史街道をゆく、現代カナダを知るための60章【第2版】
2017年7月1日、カナダは建国150周年を迎える。テロや政治状況などで暗雲たれこめるヨーロッパやアメリカに比べ、誰もが笑顔になれる、癒される国として注目を集めている。昨年、アメリカでトランプ政権が誕生することが明らかになったとき、移民を希望するアメリカ人たちがカナダの移民登録サイトに殺到したことも話題になった。
建国以来、世界中からの移民を受け入れ、多民族主義を宣言し、異なるルーツの人びとが幸福に共存する道を選んできたカナダ。その広大な国土を、ジャーナリスト上原善広氏が一年目はプリンス・エドワード島からウィニペグまで、二年目は東端の地ニューファンドランドを起点に、鉄道でトロントからバンクーバー、さらに北上して北極圏のタクトヤクタックまで踏破した。カナダ全土に張り巡らされた「トランス・カナダ・トレイル」(TCT)という古い街道や廃線になった線路跡などのトレイルを自転車でめぐったり、建国の礎となった大陸横断鉄道に乗って西海岸に到達し、先住民と共にユーコンで狩りをしたり、歴史をたどりつつ「今」のカナダを体感する気鋭のルポルタージュ。