ストックホルムってどんなとこ?旅行前に調べてみた

旅行前にその土地のことを調べてみたシリーズ、ストックホルム編です!ストックホルムに行く前に見ておくと楽しめる映画、読んでおくと良い書籍の紹介も。
ストックホルムってどんなとこ?
場所
北ヨーロッパに位置する、スウェーデンの首都になります。
スウェーデンは西にノルウェー、東にバルト海を挟んでフィンランドと向かい合い、南にはデンマークが位置しています。
ストックホルムは大小の島々にまたがる水の都で、美しい運河と歴史的建築が魅力の都市です。
天気
冷帯湿潤気候に属し、夏は短く爽やかで、気温は20〜25℃前後が中心です。日照時間が非常に長く、白夜に近い明るさが続くのも特徴です。冬は長く寒さが厳しく、雪が積もることも多く、寒波の際には最低気温がマイナス10℃を下回ることもあります。春と秋は寒暖差が大きいため、服装の調整が重要です。
歴史的に覚えておきたいキーワード
スウェーデン王国の首都としての歩み
ストックホルムは13世紀中頃に建設され、スウェーデン王国の政治・経済の中心地として発展しました。スウェーデン王国の成立とともに、国の統治と文化の中心としての役割を担い続けています。
ハンザ同盟の影響とバルト海貿易
中世、ストックホルムはハンザ同盟の影響でバルト海交易に関わり、商業都市として栄えました。ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国との結びつきもこの時期に強まりました。
グスタフ・ヴァーサと近代スウェーデンの幕開け
16世紀、グスタフ・ヴァーサ王がスウェーデンをデンマーク主導のカルマル同盟から独立させ、宗教改革や王政の強化を推進。ストックホルムは王権と近代国家の象徴として発展しました。
三十年戦争とスウェーデンの台頭
17世紀前半、スウェーデンは三十年戦争(1618年~1648年)に参戦。プロテスタント勢力の中心として戦果を挙げたことにより、バルト海周辺の覇権を強化し、大国への道を歩みます。首都ストックホルムはその軍事的・政治的な中心地として栄えました。
北方戦争と帝国の終焉
17世紀後半〜18世紀初頭、スウェーデンは北方戦争(1700年〜1721年)でロシア、デンマーク、ポーランドなどの連合軍などと衝突。敗北によりバルト帝国としての地位を失い、国力は一時的に衰退しますが、ストックホルムは文化的中心としてその役割を維持しました。
中立政策と現代福祉国家へ
20世紀、スウェーデンは二度の世界大戦を通して中立を維持。戦後は高福祉・高負担を基盤とする社会民主主義を確立し、ストックホルムは国際会議やノーベル賞授与式が行われる国際都市としても知られるようになります。
NATOとの距離と加盟への転換
長らく中立を掲げていたスウェーデンですが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を機に安全保障政策を転換。同年5月にフィンランドと共にNATOへの加盟申請を正式に提出しました。
ストックホルムの有名観光地
ストックホルム宮殿(Stockholms slott)
スウェーデン王室の公式宮殿で、壮麗なバロック様式の建物。衛兵交代式や豪華な内装が見どころ。歴史的な博物館も併設されています。

ノーベル賞博物館(Nobelmuseet)
ノーベル賞の歴史と受賞者の功績を紹介する博物館。インタラクティブ展示で科学や平和への貢献を楽しく学べます。

スカンセン(Skansen)
世界最古の野外博物館で、スウェーデン各地の伝統家屋や動物園を再現。四季折々の行事も体験できる人気スポットです。

ヴァーサ号博物館(Vasamuseet)
1628年に沈没した戦艦ヴァーサ号を展示。保存状態が非常に良く、当時の造船技術や生活がリアルに伝わります。

ストックホルム近郊の観光地
ドロットニングホルム宮殿(Drottningholms slott)
ユネスコ世界遺産にも登録されたバロック様式の宮殿。現在も王室の居住地で、美しい庭園と劇場が魅力です。

スコーグスシュルコゴーデン(Skogskyrkogården)
「森の墓地」として知られる世界遺産。自然と建築が調和した静かな空間で、芸術性と精神性の高さが評価されています。

ストックホルム/スウェーデン旅行前に見たい映画
ドラゴン・タトゥーの女
スウェーデンを揺るがせた財界汚職事件の告発記事を書きながら名誉棄損裁判で敗訴したミカエルは意気消沈の日々を送っていた。ある日、彼のもとにスェーデン有数の財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリック・ヴァンゲル老人から家族史編纂の依頼が舞い込む。実はヘンリックの真の目的は40年前に起きた親族の娘ハリエット失踪事件の真相究明だった。ヴァンゲルはハリエットが一族の誰かに殺害されたと信じていた。40年前に一族が住む孤島から何の痕跡も残さず消えた少女。成功の陰に隠された一族の血塗られた過去に気づくものの手がかりの掴めないミカエルは、一族の弁護士から天才的な資料収集能力の持ち主であるとして、ある人物を紹介される。リスベットという名の、顔色が悪く、拒食症患者のように、がりがりに痩せた女。この小柄な女の肩口から背中にかけて、龍の刺青(ドラゴン・タトゥー/ルビ)が異彩を放っていた。意外なことに彼女はこの事件に異様な関心を示す。そして彼女はハリエットの日記に記された聖書にまつわる数字が、ロシアの国境付近で未解決のままとなっている連続猟奇殺人事件と関連があることを突き止めるのだった…。
100歳の華麗なる冒険
100歳の誕生日を迎えるアランは誕生日パーティの当日、お祝いなんてまっぴらと老人ホームを抜け出してしまう。ひょんなことから大金入りのケースを手に入れてしまいギャングと警察両方から追われる事に。旅先で出会う一癖ある仲間たちを巻き込みながら繰り広げられる珍道中を通し、アランはかつて気の向くままに世界をまたにかけ、世界史の重大なシーンに立ち会ってきた自身のハチャメチャな人生を振り返っていく。
ストックホルム・ケース
何をやっても上手くいかない悪党のラース(イーサン・ホーク)は自由の国アメリカに逃れるために、アメリカ人に扮装してストックホルムの銀行強盗を実行する。彼は幼い娘を持つブリジッタ(ノオミ・ラパス)を含む3人を人質に取り、犯罪仲間であるクラーク(マーク・ストロング)を刑務所から釈放させることに成功。続いてラースは人質と交換に金と逃走車を要求し、クラークと共に逃走する計画だったが、警察は彼らを銀行の中に封じ込める作戦に打って出る。現場には報道陣が押し寄せ、事件は長期戦となっていく。すると犯人と人質の関係だったラースとブリジッタたちの間に、不思議な共感が芽生え始める……。

「ストックホルム症候群」の名前の由来になった実話になります。王立公園にほど近いノルマルム広場にある銀行が舞台です。
ストックホルム/スウェーデン旅行前に読みたい本
物語 北欧の歴史 モデル国家の生成 – 武田龍夫
中世においては西ヨーロッパの人々を恐怖に陥れたバイキングとして、現在では高度な福祉を実現させた国家として世に名高い北欧の国々。その歴史は平坦ではなく、隣接する強国ロシアとドイツを交えた度重なる戦争や民族独立運動、緊迫した国際情勢の中での苦難に満ちた中立外交などからなる。本書はデンマーク、スウェーデンを中軸に、両国から分離・独立したノールウェー、フィンランド、アイスランド北欧五カ国の通史である。

スウェーデンの歴史をよく知るためには、近くにあるデンマーク、ノルウェー、フィンランドのことも一緒に学ぶことが大切です。これらの国々とは昔から関わりが深く、歴史的な出来事の多くがつながっています。
イケアとスウェーデン: 福祉国家イメージの文化史 – サーラ・クリストッフェション(太田美幸訳)
青と黄色に塗られた巨大なイケアストア。シンプルかつデザイン性の高い家具や日用品を低価格で販売する、スウェーデン生まれの家具販売店である。世界27カ国に315店舗を展開するイケアには年間7億人を超える人々が訪れ、総売上高は287億ユーロにのぼる。
イケアの魅力は、価格が安いことに加え、「北欧らしさ」を特徴とする商品ラインナップにあると言ってよい。北欧諸国はデザイン先進国であると同時に、人々の生活の安定と暮らしの快適さを追求してきた福祉先進国でもあり、イケアの商品にはこうした北欧のイメージと理念が織り込まれている。さらに、イケアは従業員の働きやすさを重視する企業としても知られている。フラットで風通しのよい企業文化もまた、民主的で平等な福祉国家スウェーデンとのつながりを感じさせる。
本書は、従業員に働きやすい職場を提供し、消費者には快適な暮らしを低価格で提供してきたイケアの文化について、そしてその最大の特徴であるスウェーデンとのつながりについて分析したものである。
国際ブランドとしてのイケアのイメージは、創業者の出身地スウェーデン・スモーランド地方ののどかな風土を反映したものとされている。本書の著者はこれをイケアのビジネス戦略として分析し、こうしたイメージがどのようにつくられてきたのか、社内外でどのように作用してきたのか、そしてイケアの成功とどのように結びついているのかを解明している。さらには、スウェーデンの国家イメージにもイケアが多大な影響を与えてきたこと、両者が相互作用を及ぼしあう関係にあることを指摘し、イケアとスウェーデンがともにつくりあげてきた「イメージ」の歴史を文化史として描き出している。