プラハってどんなとこ?旅行前に調べてみた[おすすめ映画・本も紹介!]
旅行前にその土地のことを調べてみたシリーズ、プラハ編です!チェコに行く前に見ておくと楽しめる映画、読んでおくと良い書籍の紹介も。
プラハってどんなとこ?
場所
チェコ共和国の最大都市で中央ヨーロッパに位置しており、ドイツ、ポーランド、スロバキア、オーストリア4つの国と国境を接しています。
市内中心部はヴルタヴァ川(モルダウ川)が流れており、世界で唯一全市が世界遺産に登録されている歴史的にも貴重な街です。
天気
西岸海洋性気候に属しており、大西洋から吹く偏西風や暖流の影響により、緯度の高さの割には冬でも温暖な気候です。比較的に夏も涼しく、降水量は季節ごとに変化はないのが特徴です。
歴史的に覚えておきたいキーワード
第一次対戦後に独立
第1次世界大戦が終わった1918年、チェコ民族とスロバキア民族共にオーストリアから独立し、チェコスロバキア共和国となりました。
石炭などの鉱物資源に恵まれた土地
1918年建国当時、チェコスロバキア共和国は世界屈指の鉱工業・軍需産業を有する国でした。この豊富な資源が、第二次対戦を前にした隣国ドイツからの占領に繋がる理由の一つにもなりました。
ミュンヘン会議
元からドイツ人居住者が多いチェコスロバキア西部のズーデン地方の併合に向けて、ヒトラー率いるナチス・ドイツが「この併合が最後の要求である」とイギリス、フランス、イタリアの4カ国代表と会談を行ったのがミュンヘン会議です。当事者であるチェコスロバキア共和国の代表者が招かれない中で、国土の割譲が決められました。
その後、協定を無視したヒトラーは予告なしにチェコ全土を軍事占領、スロバキアを独立させ影響下に置きました。その後東方への進出を進めたドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まります。
エンスラポイド作戦
第二次世界大戦中に、占領中のチェコを統治していたドイツの高官、ラインハルト・ハイドリヒの暗殺作戦が行われました。イギリス主導でチェコ人とスロバキア人の青年2人がプラハへ潜入、チェコの抵抗運動組織と接触し、1942年5月27日に暗殺を実行しました。
暗殺を知ったヒトラーは、チェコ人への報復を命令し、無関係な1万3千人もの人々が殺害されました。実行をしたメンバーはプラハにある教会に潜伏していましたが、関係者の密告により居場所が割れ、悲惨な銃撃戦の上で全員が戦死しました。
プラハの春
第二次世界大戦が終結後、ソ連の影響の下で社会主義体制の国となりました。
1968年に「プラハの春」と呼ばれる民主化運動が進められましたが、ワルシャワ条約機構軍に鎮圧され、ソ連との関係改善をはかる「正常化政策」が進められました。
ビロード革命
1989年ベルリンの壁崩壊後、市民・学生が中心とした反共産主義運動が進み、12月に社会主義体制が崩壊しました。プラハの春で一度潰されてしまった民主化がここで達成されました。共産党支配から解放された後、チェコ人とスロバキア人の民族主義が台頭し、1993年にはチェコはスロバキアと分離してチェコ共和国となりました。
プラハの有名観光地
旧市街広場
11世紀には既に存在した、歴史的な広場です。旧市庁舎の南側には、プラハの天文時計も見ることができます。
プラハ城
世界で最も大きい城の1つと言われており、ボヘミア国王や神聖ローマ皇帝の居城でした。城内は大聖堂や教会、修道院をはじめに、博物館、美術館などがあり、見どころ満載です。
カレル橋
プラハの新市街と旧市街をつなぐチェコで2番目に古い橋です。橋の上には様々な彫刻で装飾されており、360度どこを見ても美しくて感動ものです。
聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂
エンスラポイド作戦でハイドリヒを暗殺したメンバーが潜伏し、最期を遂げた大聖堂です。潜伏していた地下は無料で入れる博物館になっており、銃痕が残る痛ましい歴史を肌で感じることができます。
ミュシャ美術館
日本でも人気なグラフィックデザイナー/画家のミュシャ(ムハ)も実はチェコの出身です。日本にない原画などもあるので、ぜひ記念に訪れてみてはいかがでしょうか。
プラハ近郊の観光地
カルルシュテイン城
プラハの南西30キロに位置するカルルシュテイン城には、プラハから鉄道で40分程度で訪れることができます。
ピルスナー・ウルケル醸造所
日本人に馴染みの深いアサヒ・キリン・サッポロはピルスナーというビアスタイルでチェコ生まれです。ピルスナーの中でも真っ先に名前が挙がるほど有名なのがピルスナー・ウルケルではないでしょうか。プラハから西にあるプルゼニ(ピルゼン)市に醸造所があり、見学ができます。
チェスキー・クルムロフ
プラハから南へ180km、オーストリアにも近いチェスキー・クルムロフは世界遺産に登録されており、世界で最も美しい町と称されることも。プラハからはバスで3時間ほどで日帰りも可能です。
プラハ/チェコ旅行前に見たい映画
ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦
第二次世界大戦直下、ナチスはヨーロッパのほぼ全土に占拠地域を広げていた。ヒトラーの後継者と呼ばれ、ナチス第三の実力者であるラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた。イギリス政府とチェコスロバキア亡命政府はハイドリヒ暗殺計画を企て、ヨゼフ(キリアン・マーフィ)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら七人の兵士の暗殺部隊を、パラシュートによってチェコ領内に送り込む。ヨゼフとヤンはプラハの反ナチス組織や家族と接触し、暗殺計画を進めていく。ついに無謀なミッションは実行されるが、ハイドリヒ襲撃に憤慨したナチスは常軌を逸する残虐な報復を始める―。
エンスラポイド作戦の開始から始まるこちらの映画、ラストシーンを見てから訪れた聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂の地下。なんとも言えない感情になりました。
プラハ/チェコ旅行前に読みたい本
HHhH プラハ、1942年 – ローラン・ビネ(高橋啓 訳)
ナチによるユダヤ人大量虐殺の首謀者ハイドリヒ暗殺計画は、二人の青年によってプラハで決行された。それに続くナチの報復、青年たちの運命。ハイドリヒとは何者だったのか? ナチとはいったい何だったのか? 史実を題材に小説を書くことに全力で挑みながら、著者は小説を書くことの本質を自らに、読者に問いかける。小説とは何か……? 2014年本屋大賞・翻訳小説部門第1位。
ナチスの占領からハイドリヒの人間性、レジスタンス2人について、新しいタイプの史実小説でした。エンスラポイド作戦について知るには一番の本です。
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 – 米原万里
ユーモラスに、真摯に綴られた、激動の東欧を生きた三人の女性の実話!
一九六○年、プラハ。小学生のマリはソビエト学校で個性的な友だちに囲まれていた。三〇年後、激動の東欧で音信が途絶えた三人の親友を捜し当てたマリは――。第三三回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
60年代にプラハにいた日本人のマリさんが今と昔を振り返るノンフィクション作品。多国籍な友人と彼らのルーツ、大人になってからこそ分かるその時の世界情勢など、興味深い内容でした。
変身 –
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。
「変身」で有名な小説家、フランツ・カフカもチェコ出身です。プラハのヴルタヴァ川(モルダウ川)沿いにはフランツ・カフカ博物館もあり、好きな方はたまらないと思います。