ブダペストってどんなとこ?旅行前に調べてみた[おすすめ映画・本も紹介!]
旅行前にその土地のことを調べてみたシリーズ、ブダペスト編です!ブダペストに行く前に見ておくと楽しめる映画、読んでおくと良い書籍の紹介も。
ブダペストってどんなとこ?
場所
中央ヨーロッパに位置する、ハンガリーの首都になります。
ハンガリーは北にスロバキア、西にオーストリア、南西にスロベニア、クロアチア、南にセルビア、東にルーマニア、ウクライナと国境を接する国です。
ブダペストは国土の中央北側、ドナウ川沿いに位置しています。
天気
大陸性気候に属しており、冬は寒く、平均0度〜マイナスになることが多いです。
夏は乾燥しており、比較的過ごしやすいですが、30度を超える日もしばしば。クーラーがない家も多いので、体調管理には注意が必要です。
歴史的に覚えておきたいキーワード
先祖はアジアとヨーロッパの間に
ハンガリー人はマジャール人とも呼ばれ、元はウラル山脈中南部に遊牧を営んでいた民族でした。9世紀頃に東ヨーロッパに向けて集団移動をし、さまざまな民族との混血を重ね、今に至ります。
オーストリア=ハンガリー帝国
他民族国家であった旧オーストリア帝国は、1866年にプロイセンとの戦争(普墺戦争)に敗れて以降、国の統一が難しくなる状況にありました。そこで帝国の東部であるハンガリー王国を分割し「オーストリア=ハンガリー帝国」としました。政府と議会は別に立て、外交、財政、軍事は共同としました。
ハンガリー国内からは、その後も完全な独立を求める運動が続きました。
第一次対戦後に独立
第一次世界大戦で、オーストリア=ハンガリー帝国が敗北すると、1918年10月にハンガリー共和国として分離独立をしました。
第二次対戦中は枢軸国
隣国との領土問題を抱えたハンガリーは、領地奪還の好機とし、第二次大戦ではドイツ・イタリア・日本の枢軸国側として参戦しました。戦争中はもちろんユダヤ人ゲットーも存在し、多くのハンガリーに住むユダヤ人が命を落としました。
第二次対戦後のハンガリー
第二次対戦後、ハンガリーはソビエト連邦の影響下に置かれました。国内は共産主義体制に変わっていきました。また1955年には西側NATOに対抗するワルシャワ条約機構にも加盟します。
ハンガリー動乱
1956年には反ソ連を掲げた暴動、市民3000人以上が犠牲になりました。この年に、ワルシャワ条約機構から脱退、東欧革命の先陣を切った形になりました。
後に、民主化したハンガリーで再評価され、毎年10月23日は国民の祝日となっています。
ブダペストの有名観光地
国会議事堂
ゴシック リバイバル様式の巨大な国会議事堂は、ブダペストのランドマークと言っても良いでしょう。夜は素敵にライトアップするので、ぜひ対岸へ。
セーチェニ温泉
ハンガリーはヨーロッパの中でも有数の温泉地として有名です。1913年に建てられた、こちらのセーチェーニ温泉は街の中心部にあり、代表するスパです。
中央市場
1階には食料品、2階にはお土産物が取り揃えられている、屋内の市場です。生鮮食品を探しに行くなら朝早くがおすすめ。牛タンを丸々信じられない安価で買えたり、行くたびに新たなものを発見できるのも楽しいです。
漁夫の砦
要塞として建てられたブダペストのランドマークの一つです。ドナウ川沿いにあり、美しい景色を見ることができます。ぜひ夕暮れ時に訪れてみてください。
聖イシュトヴァーン大聖堂
ブダペストにある、カトリックの大聖堂です。ドームに登ることもでき、景色を楽しむことができます。、ハンガリー王国の初代国王イシュトヴァーン1世の右手のミイラが保管されています。
ブダペスト近郊の観光地
バラトン湖
中央ヨーロッパ最大の湖で、海がないハンガリーで湖水浴を目的に夏はヨーロッパ中から人が集まります。ブダペストから南西に130km、北端で最速2時間で到着します。
パンノンハルマの大修道院
世界遺産に登録されているハンガリー最古の歴史的建造物の一つで、ブダペストから片道3時間程度で行くことができるパンノンハルマ市にあります。
センテンドレ
首都ブダペストから数時間で出向くことができるセンテンドレは、カラフルなバロック様式の建物が立ち並ぶ町です。
ブダペスト/ハンガリー旅行前に見たい映画
暗い日曜日
舞台は1930年代のハンガリー・ブダペスト。レストランオーナーのラズロとその恋人のイロナは、店での演奏のためにピアニスト・アンドラーシュを雇った。次第にアンドラーシュとイロナは惹かれあい、アンドラーシュは彼女のために『暗い日曜日』という曲を作曲、その歌をイロナへの誕生日プレゼントとして贈る。やがてアンドラーシュが作曲した「暗い日曜日」はラズロの力添えでレコードとして発表されたのだが、程なくしてその曲を聴きながら自殺する人々が続出し、「暗い日曜日」はいつしか「聞くと自殺する歌」として恐れられるようになっていく。そんな中、かつてラズロとイロナのレストランの常連客だったハンスがナチスの幹部として戻ってきたことにより、物語は急展開を迎えることになる。
聞くと自殺したくなる曲として都市伝説で有名だと思います。実はハンガリー生まれの楽曲でした。
ウォーキング・ウィズ・エネミー / ナチスになりすました男
第2次世界大戦下、ドイツ同盟国のハンガリーが連合国との講和を模索し始めたことから、ドイツがブダペストに侵攻を開始。労働収容所に収監された青年・エレクはナチスの狙いを察し、ナチスになりすまして離れ離れになった家族や仲間の救出を決意する。
この世界に残されて
ナチス・ドイツによって約56万人ものユダヤ人が殺害されたと言われるハンガリー。終戦後の1948年、ホロコーストを生き延びたものの、家族を喪い孤独の身となった16歳の少女クララは、ある日寡黙な医師アルドと出会う。言葉をかわすうちに、彼の心に自分と同じ欠落を感じ取ったクララは父を慕うようにアルドになつき、アルドはクララを保護することで人生を再び取り戻そうとする。彼もまた、ホロコーストの犠牲者だったのだ。だが、ソ連がハンガリーで権力を掌握すると、世間は彼らに対してスキャンダラスな誤解を抱き、やがて二人の関係も時の流れとともに移り変わってゆく―。
戦後のハンガリーの様子が伺えます。戦争孤児を引き取ったり、こういった事象が当たり前のようにあった事に驚かされました。家の雰囲気や、キッチンコンロなど、今の暮らしとも通ずる部分もあり、変わってない部分も多いのだと感じました。
ブダペスト/ハンガリー旅行前に読みたい本
悪童日記 アゴタ・クリストフ
戦火の中で彼らはしたたかに生き抜いた――大都会から国境ぞいの田舎のおばあちゃんの家に疎開した双子の天才少年。人間の醜さ、哀しさ、世の不条理――非情な現実に出あうたびに、彼らはそれをノートに克明に記す。独創的な手法と衝撃的な内容で全世界に感動と絶賛の嵐を巻き起した女性亡命作家のデビュー作。
アゴタ・クリストフは前述のハンガリー動乱でオーストリアに亡命したハンガリー人作家です。名作としか言いようがない誰もが知る小説ですが、時代背景なども相まって、周辺国の歴史を知ってから読むとより楽しめます
十五の夏 上・下 佐藤優
一九七五年、高一の夏休み。ソ連・東欧一人旅。異能の元外交官にして、作家・神学者である“知の巨人”の思想と行動の原点。40日間の旅行記。僕がソ連・東欧を旅することになったのは、高校入学に対する両親からの「御褒美」だ。旅行費用は、僕の手持ちの小遣いを入れて、48万円もかかる。僕は父の給与がいったいいくらか知らないが、浦和高校の3年間の授業料の10倍以上になるのは間違いない。両親には申し訳ないと思ったが、好奇心を優先した。羽田→カイロ空港→チューリヒ→シャフハウゼン→シュツットガルト→ミュンヘン→プラハ→ワルシャワ→ブダペシュト→ブカレスト→キエフ→
ノンフィクション旅行記が好きなアザラシとしては、未知の70年代東欧を知れる貴重な書籍です。筆者はブダペストに文通相手がいて、同年代の友人と過ごす同地で描写が描かれています。今よりも海外に行くことが難しい時代に一生に一度の体験をした筆者が羨ましいです。