ハンガリーでワーキングホリデーを現地申請してみた
2023年現在、ハンガリー国内で、ワーキングホリデーを現地申請する方法について、紹介できればと思います。
2カ国目のワーキングホリデー
アザラシのワーキングホリデー2ヶ国目として、ハンガリーで申請することになりました。前回のカナダ同様に、現地申請が可能なハンガリーのワーキングホリデービザは、現地では「Temporaly Residens Parmit」と呼ばれています。
ハンガリーを選んだ理由
ハンガリーはシェンゲン協定加盟国なので、その他の加盟国内でしたら、パスポートチェックもいらない国内線扱いで旅行することができます。WIZZ AirというハンガリーのLCCがあるため、飛行機に関しても安価で多くの数就航しており、空港が首都からアクセスしやすい立地にあったことも決め手の一つです。
また、その他のシェンゲン協定加盟国と比べても物価が安いことも大きなポイントでした。近年物価はどんどん上がっているようですが、それでも、家賃・生活費も東京よりは断然安く、外食も同程度です。日本円で生活費を稼いでいるアザラシとしては、生活水準も保ちつつ、頻繁にヨーロッパを旅行する拠点としてバッチリな国でした。
申請時点で観光ビザだけど働いて大丈夫?
ビザ申請をする前は、基本的にビザなし(シェンゲン協定)で入国します。
シェンゲン協定内での入国の場合、現地のハンガリー人向けに商売をしたり、ハンガリーの企業に勤めたりしてしまうと、違法就労にあたります。必ず就労ビザが必要です。
ただ、アザラシの場合は、リモートで海外に滞在していようと、日本企業で日本人のみに対して商売をしているため、いわゆるワーケーション状態で違法就労にはあたりません。
それでも入国時は慎重にする必要があります。
入国を決めるのは入国審査官なので、下手に仕事の話はせず「あくまで日本から給与をもらっていて、この国にお金を落とす観光客である」ことを忘れないようにしてください。
ワーキングホリデー申請条件
ハンガリーのワーキングホリデーは日本国内からまたはハンガリー国内からの現地申請が可能です。申請条件の公式サイトはこちらから確認ができます。
- 主として休暇を過ごすためにハンガリーに入国する意図を有すること
- 一時滞在許可証を申請する段階または査証から書き換えをする段階で年齢が18歳以上30歳以下であること(査証申請の段階ではありません)
- 被扶養者を同伴しないこと
- 少なくとも予定される滞在の間有効する旅券及び帰国のための旅行切符又は切符を購入するための十分な資金を所持していること
- ハンガリーにおける滞在の当初の期間生計を維持するための相当な資金を所持していること(最低25万円の銀行残高が目安)
- 滞在終了時にハンガリーを含むシェンゲン協定加盟国から出国する意図を有し、かつ、滞在の間ワーキングホリデー制度の参加者としての在留資格を変更しないこと
- 以前に一時滞在許可証の発給をハンガリー政府から受けていないこと
- 健康であること及び犯罪経歴を有しないこと
- 滞在の間、ハンガリーにおいて効力を有する法令を遵守する意図を有すること
ハンガリーのワーキングホリデーにかかる費用
項目 | 費用 |
---|---|
ビザの申請費 | 24,000Ft |
健康保険(1年) | 現地保険の場合 40,000〜70,000Ft |
資金証明(入国から3ヶ月分) | 600,000Ft以上 |
合計 | 694,000Ft(30万円程度) |
日本で申請、現地申請、何が違う?
日本で申請する場合
日本の大使館で、一時滞在許可証を受け取るための査証(ビザ)を手に入れてから渡航し、ハンガリーに到着後、30日以内に現地の移民局に出向き、一時滞在許可証(Temporaly Residens Parmit)を手に入れます。
大使館で申請するため、オンラインプラットフォームEnter Hungary等は介さず、申請書類を持って、出向いて手続きをする形になります。
- 申請用紙
- 写真 2枚
- 当面の滞在先の証明(ホテルなどの予約証明。1~2週間で良い)
- 滞在中の生活維持費用を持っていることの証明(銀行残高証明など)
- 滞在中の海外旅行保険
- 犯罪経歴証明書
申請から受領まで4〜5週間前後かかる場合があるため、申請は遅くとも渡航予定日の2か月前までに行う必要があります。
ハンガリー現地で申請する場合
他国で既にワーキングホリデーをしている場合、日本に戻るのは費用的にも時間的にも少し手間になってしまう場合があります。そのため現地申請ができるハンガリーのワーキングホリデービザは、海外に居ながら申請できる数少ない国です。
また、現地で働くことはできませんが、シェンゲン協定で入国がカウントされている期間+一時滞在許可で入国が許される期間となりますので、ビザが降りるタイミングによっても変わりますが、1年+数ヶ月ハンガリーに滞在することができます。
現地申請をするための書類の準備をする
証明写真を準備する
6か月以内に撮影された背景無しのカラー証明写真が必要です。
サイズは 35x45mm(3.5×4.5 cm) で、最低2枚はあると良いと思います。
アザラシは証明写真をデジタルデータで持っていたので、PDF上でそれを申請用紙に貼り付けて書類を作りました。問題なく申請できました。
ハンガリーの滞在先を決定する
ビザ申請をするには、住所登録が必要です。日本では考えられませんが、1年間など、まとまったビザが取れていない時点でも 半年〜1年単位の契約で部屋を借りることができます。
住所はホテル・Airbnbなどの一時滞在先でも問題ありませんが、ビザが取れるまでは平均2〜3ヶ月程度かかります。その期間は郵便物などが届く場合もあるため、なるべくまとまった契約の同じ住所に滞在できると手続的な面で楽だと思います。
お部屋探しの方法についてはこちらの記事を確認してみてください。
健康保険に加入する
ビザの申請には、滞在予定期間をカバーする長さの健康保険に加入する必要があります。多くのワーキングホリデー用の保険は、日本出発を発動条件としているため、旅の途中に現地申請する場合には向かないことが多いです。
こういった場合、ハンガリーの民間医療保険でしたら、1年間でも割安なプランで健康保険に加入することができます。こちらもパスポートと、ハンガリーの電話番号があれば加入ができます。
健康保険の加入方法についてはこちらの記事を確認してみてください
犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)を手に入れる
日本から申請される場合は、必ず必要な書類になります。
ちなみに後ほどオンラインでの申請方法を紹介しますが、その中には犯罪経歴証明書をアップロードする欄項目はありません。実際インターネットを見てみると、移民局で必要と言われた人、言われなかった人それぞれいるので、可能な限りは準備したほうが良いと思います。
証明書はハンガリーの領事館から、無料で取り寄せることができますが、平均2ヶ月程度かかります。また、領事館は要予約です。
犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)の取得方法はこちらの記事を確認してみてください
アザラシは書類を全てオンラインで提出後、指紋と写真を撮りに移民局に行った際に、担当者に必要と言われて、急いで領事館で取り寄せをお願いしました。最終的には、犯罪経歴証明書が届く前にビザが取れてしまい、提出もしていない状況です。
ワーキングホリデー現地申請の流れ
滞在先住所と、健康保険、犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)の準備ができたら、オンラインからワーキングホリデービザの申請をします。
申請からビザ受け取りまでの流れは大きく分けてこちらの5ステップです。
- Enter Hungaryよりアカウントを作成、フォームを入力
- フォームの送信と、申請料金の支払い
- 申請日から15日以内に移民局に行って、顔写真と指紋を登録
- 郵便で、ビザの可否を知らせる手紙が、営業日21日〜1ヶ月以内に届く
- 郵便でレジデントパーミットカードが届く / 移民局に取りに行く
申請書類をしっかり準備すれば出戻りも少なくスムーズにビザが取れると思います。
それでは流れを確認して行きましょう。
ハンガリーのビザ申請は、2023年現在、オンラインベースで受付をしています。
現地申請の場合はオンラインから行いましょう。
Enter Hungaryのアカウント登録、3つのフォームと、1つの書類アップロードページについての解説は、こちらより確認ください。
3つのフォームの入力と、必要書類のアップロードが完了したら申請料金を支払います。申請料金は24,000Ft(約10,000円)で、クレジットカードで支払いが可能です。
支払いが完了したら、控えはスクリーンショット、または印刷をして移民局に行く際に持っていると安心です。管理画面にも支払いの記録が表示されます。
申請料金を払ったら移民局への訪問日時の予約をしましょう。予約の取り方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
申請日から15日以内に移民局へ向かいます。
アザラシは13区にある、移民局に予約を取って向かいました。
足りない書類があれば、移民局職員の指示に従い、追加で準備することになります。
アザラシはこの時に、無犯罪証明書必要だよ!45日以内に持ってきて!と日付指定で指示されたので、急いで準備に取り掛かりました。
ちなみに、「今から2ヶ月くらいかかるけど、本当に必要なの?」とゴネてもダメでした。
無犯罪証明書が準備できていない状態にありましたが、ビザの可否を知らせる手紙が本人確認郵便で届きました。受け取りには身分証明書が必要で、郵便局の方が玄関先まで訪ねてきます。
手紙には、「〇〇年〇〇月〇〇日までの滞在が許可されました」との旨が記載されています。
近く海外旅行の予定があったアザラシは、移民局に、こちらの手紙で出入国はできますか?との問い合わせをしました。しかし、海外旅行に行く際には、後述するresident permit card(顔写真入りプラスチックのカード)がないと居住の証明にはならないとのことでした。
その時点で、カードはできていないのでまた来週連絡してと言われました。
お問い合わせをするには、下記のメールアドレスに案件を識別できる情報を載せて送付すると受け答えをしてくれます。
bpkir3@oif.gov.hu
- Enter Hungary number(EHから始まる番号)
- メールアドレス
- 名前
- 国籍
- 誕生日
毎週毎週、移民局にメールをしますが、「まだできてないので、また来週」を3度繰り返した後に、やっと「移民局に取りにきてください」との連絡を受け取りました。
再度移民局の予約を取り、resident permit cardを受け取りに行きます。
移民局では、下記の2点を受け取ることになります。
resident permit card(顔写真付きの身分証)
プラスチックのカード式の身分証明書です。
一時滞在許可のビザを持っているという証明になりますので、海外旅行などに行く際にはパスポートと共に携帯する必要があります。
address card(住所カード)
住所証明のQRコードがついたA4用紙になります。ビザを申請した後に可能になる、銀行・インターネット契約や税金、国民健康保険関連の手続きをするのに、全てに必要になります。
これで手続き全部終わり!お疲れ様でした
ビザを受け取るまでどのくらいかかった?
アザラシの申請時期が、欧米の新学期が始まる時期の直前だったため、かなりの繁忙期でした。移民局も檄混みしていたので、夏の時期は他の時期と比べても少し時間がかかるような印象です。
アカウント作成は、入国する前でもいつでもできます。ただ、申請をして支払いから15日以内には移民局に行く必要があるので、申請のタイミングについては注意です。
- [STEP1]Enter Hungaryよりアカウントを作成、フォームを入力
- (8月1週目)[STEP2]フォームの送信と、申請料金の支払い
- (8月2週目)[STEP3]申請日から15日以内に移民局に行って、顔写真と指紋を登録
- (9月3週目)[STEP4]郵便で、ビザの可否を知らせる手紙が、営業日21日〜1ヶ月以内に届く
- (10月2週目)[STEP5]郵便でレジデントパーミットカードが届く / 移民局に取りに行く
オンラインシステムも稼働が始まって数年であり、これからもっと使いやすくなったり、手続きが分かりやすくなっていくのではないかと思います。
Enter Hungaryのアカウント作成、フォーム入力方法はこちらから
ここから先は有料記事になります。
画像付きの5000文字を超えるボリュームで、STEP1のEnter Hungaryを使ったワーキングホリデービザ(Temporaly Residens Parmit)のオンライン申請方法を解説しています。