ブリュッセルってどんなとこ?旅行前に調べてみた[おすすめ映画・本も紹介!]
旅行前にその土地のことを調べてみたシリーズ、ブリュッセル編です!ベルギーに行く前に見ておくと楽しめる映画、読んでおくと良い書籍の紹介も。
ブリュッセルってどんなとこ?
場所
西ヨーロッパに位置する、ベルギーの首都になります。
ベルギーは北にオランダ、西にフランス、南にルクセンブルク、東にドイツと国境を接する国です。北西に海を渡ればイギリスがあります。
首都のブリュッセルは国土の中央北側に位置しています。
天気
海洋性気候に属しており、夏は比較的過ごしやすく、冬は寒いが雪はあまり降らないといった特徴があります。年の三分の一は雨が降り、夏には雷雨になることも。
歴史的に覚えておきたいキーワード
国語がない
北のフレンデレン地方はオランダ語、南のワロン地方はフランス語、東にはドイツ語と、国の中で話す言語が違うことが大きな特徴です。
言語問題は現在でも根深く、特に南北では格差もあったため、分離を求める声も多く、ベルギーを一つの国として統一するために幾度となく壁として立ちはだかりました。
首都のブリュッセルはフレンデレン地方に含まれますが、公用語はフランス語です。
強い隣国に翻弄される
ヨーロッパの十字路と呼ばれるベルギーの隣国は強国揃い。幾度とない戦いに巻き込まれ、その度に国境も変化していきました。様々な隣国の影響を受けながら、多言語・多文化の集合体がベルギーという国を表しています。
コンゴ動乱
ヨーロッパの他国に遅れをとるまいと、国王レオポルド2世の時代に、ベルギーもアフリカのコンゴを植民地化しました。
1960年にフランスの植民地から独立していくアフリカの国々に刺激を受けたベルギー領コンゴの人々が暴動を起こし始めると、ベルギー政府は独立を認めました。しかし十分な準備のないまま独立を認めたため、国内に利害(主に鉱山資源)を伴う対立を抱えたまま内乱となりました。
ルワンダ虐殺
1994年に東アフリカのルワンダで、ベルギー統治下に隔てられたフツ、ツチの両民族間で行われた100日間にもわたる大量虐殺で、国民の20%が亡くなりました。
第一次世界大戦にドイツが敗れたことで、ルワンダの支配権を得たベルギーは、主権をツチに独占させ、分離を行いました。その結果、ツチとフツ両民族の民族間ジェノサイドの要因を作る形になりました。
欧州連合と多様性
ヨーロッパ連合(EU)の本部があることでも有名なベルギーは、ヨーロッパの首都と言っても過言ではありません。近年、首都のブリュッセルは移民が増え、治安が悪化、欧州のテロの温床となっていることも問題視されています。
多言語・多文化を自国の歴史を通していち早く経験してきたベルギーは、今のヨーロッパの縮図とも言えます。
ブリュッセルの有名観光地
小便小僧
放尿する少年の像で、有名な観光地です。所要時間は多く見積もっても3分ほどで問題ありません。
グランプラス
市内中心部にある大広場で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
ブリュッセル王宮
夏の期間だけ解放されている王宮です。ベルギーの歴代国王は、言語問題を抱えた国をまとめていくために多方面に尽力されていました。ぜひ調べてからいくとより楽しめると思います。
王立美術館
ベルギー出身の画家、ブリューゲルの絵画などを中心に様々な絵画、彫刻、タペストリーなどを鑑賞できます。
ブリュッセル近郊の観光地
ライオン像の丘
ブリュッセルから南に約18kmにあるワーテルローは、かの有名なナポレオンが最後に敗れた地です。現在ベルギーの領土となっています。イギリス・プロイセンなどの連合国に敗北後は二度と再起することはありませんでした。
聖母大聖堂
ブリュッセルから電車で40分、ベルギーの第二の首都アントワープには、フランダースの犬でネロとパトラッシュが天に召された舞台として有名な大聖堂があります。作中でネロが見たがっていたルーベンスの絵があります。
ブリュッセル/ベルギー旅行前に見たい映画
尼僧物語
ベルギーの修道院に尼僧として入ることになった医師の娘・ガブリエル。尼僧になるための修行のなかで医学を学んだ彼女は、看護尼としてアフリカのコンゴへと派遣される。命を救う現場で働くうち、医療の使命と宗教戒律との矛盾に苦しむようになる。
ホテル・ルワンダ
アカデミー賞主要3部門でのノミネートをはじめ、全世界の映画賞で絶賛の嵐!ルワンダ大虐殺を背景に起こった、感動と衝撃の実話。
1994年、アフリカのルワンダで長年続いていたフツ族とツチ族の民族間の諍いが大虐殺に発展し、100日で100万もの罪なき人々が惨殺された。アメリカ、ヨーロッパ、そして国連までもが「第三世界の出来事」としてこの悲劇を黙殺する中、ひとりの男性の良心と勇気が、殺されゆく運命にあった1200人の命を救う。
「アフリカのシンドラー」と呼ばれたこの男性は、ルワンダの高級ホテルに勤めていたポール・ルセサバギナ。ツチ族の妻をもつ彼は、なんとか家族だけでも救いたいと必死だった。しかし、彼を頼りに集まってきた人々、そして親を殺されて孤児になった子供たちを見ているうち、彼は虐殺者たちに立ち向かうことを決意。行き場所のない人々をホテルにかくまい、長年ホテルマンとして培ったと人脈と情報、そして話術を武器に、約1200人もの命を守り抜いた。本作は、ひとりのホテル支配人が起こした奇蹟を描いた実話である。
ブリュッセル/ベルギー旅行前に読みたい本
物語 ベルギーの歴史 ヨーロッパの十字路 – 松尾秀哉
ビールやチョコレートなどで知られるベルギー。ヨーロッパの十字路に位置したため、古代から多くの戦乱の舞台となり、建国後もドイツやフランスなどの強国に翻弄されてきた。本書は、19世紀の建国時における混乱、植民地獲得、二つの世界大戦、フランス語とオランダ語という公用語をめぐる紛争、そして分裂危機までの道のりを描く。EU本部を首都に抱え、欧州の中心となったベルギーは、欧州の問題の縮図でもある。
ベルギーの歴史を包括的に知るには良い一冊です。強国に囲まれ、2言語で国が何度も分断しそうになる中、一つの国として進んできた、そんな国はそう多くはありません。
ベルギービールという芸術 – 田村功
ベルギーの醸造家は、ホップや麦芽だけではなく、スパイスやハーブやフルーツの使い方についても、天才的な閃きとテクニックを駆使しています。よその国の醸造家が目の敵にして嫌う野生酵母すら、見事に手なずけて使い込んでいます。そんな彼らの手によって作り出されたビールは、ありきたりの美味しさをはるかに超えて、飲む人の心の隅々までジーンとしみ込みます。世界的な名指揮者によるパッハやモーツァルトやベートーヴェンを聴いたときのように、思わず涙を催すほどの感動に包まれるビールも少なくありません。
ベルギービール……、まさにビールの芸術品です。(著者のことば)
イギリスともドイツともアメリカとも違う、自由さがベルギービールにはあります。アザラシもベルギービールが1番好きです。ぜひこの本を読んで、旅行中にビールを楽しんでもらいたいです。